
こんにちは
ミニマリスト ぬん です
ミニマリストを目指す過程で学んだ
少ないモノで、心地よく暮らすヒントをお届けしていきます。
他人のことなら「気にならない」「許せる」と思えるのに、
自分のことになるとクヨクヨ悩んでしまう。
そんな経験はありませんか?
実は、こうした悩みは「視点をちょっと変える」だけで軽くすることができます。
そのために覚えておきたいのが「メタ認知」です。
メタ認知とは、「自分を客観的に見ること」。
一歩引いて自分を見つめることで、
モヤモヤした気持ちが整理され、悩みの本質が見えてくるのです。
では、どうすれば自分を客観的に見ることができるのでしょうか?
また、周りに相談できる人がいない場合、
どのように悩みを解決すればいいのでしょうか?
今回は、そんなときに役立つ「セルフアドバイス」の方法を3つのポイントとともにご紹介します。
メタ認知を活用する3つの方法


①他人視点であること


自分のことになると、ちょっとした失敗やミスを大きく捉えてしまうことはありませんか?
たとえば、新しいことにチャレンジしようとするとき、
こんなふうに考えてしまうことがあります。
- 「こんなことを聞いたら恥ずかしい」
- 「こんなことをしたら恥ずかしい」
この「恥ずかしさ」を和らげるためには、
自分の状況を外から見てみることが大切です。
他人だったらどう思う?
もし、自分ではなく他人が同じ状況にいたら、自分はその人をどう見るでしょうか?
たとえば、自分が発言中に噛んだりするとすごく恥ずかしくなりますが、
誰かが発言中に噛んだとして、
「うわ、恥ずかしい!」と思うでしょうか? ほとんどの人は気にしませんよね。
カナダのウォータールー大学のイゴール・グロスマン教授の研究によると、
他人視点で考えることで、恥ずかしさの感情が大幅に減ることがわかっています。
人はみんなミスをする
私たちは、他人のミスに対しては寛容なのに、
自分のことになると必要以上に厳しくなりがちです。
人間はミスをする生き物であり、それを許容する能力をもっているのに、
途端に自分のことになると許せなくなるのです。
たとえば、あるデータによると、自己申告レベルでも浮気や不倫の経験がある人の割合は、
- 女性40%
- 男性50%
とされています。
つまり、テレビの討論番組などで「浮気は絶対に許せない!」と話しているコメンテーターの中にも、
統計上、4人のうち2人は浮気をしたことがあるか、
これからする可能性が非常に高いわけです。
ですから、
他人を責める権利がある人はほとんどいないわけです。
そう考えると、「ミスをしたから恥ずかしい」という気持ちも軽くなるのではないでしょうか。
他人視点を持つことで、自分の行動に対する過度なプレッシャーが減り、
より自由に、前向きに行動できるようになります。
② 長期的アドバイスであること


よく「頭の中に天使と悪魔がいる」と言われますが、
これは科学的に考えると「短期的思考」と「長期的思考」の違いといえます。
たとえば、新しいことに挑戦するときに、こんなふうに迷うことはありませんか?



「わからないから人に聞きたいけど、恥ずかしいな……」
そんなとき、悪魔はこうささやきます。
「やめとけ、そんなこと聞いたら恥ずかしいぞ!」
一方で、天使はこう言います。
「ここで聞いて学べば、前に進めるんだから大丈夫!」


つまり、短期的な感情に流されるのか、
それとも長期的な成長を優先するのかで、判断が変わるのです。
ソロモンのパラドックスとは?
ウォータールー大学の研究によると、
私たちは他人の問題には冷静にアドバイスできるのに、
自分のことになると正しい判断ができなくなる傾向があります。
これは「ソロモンのパラドックス」と呼ばれています。


実験では、以下の2つのグループに分けて調査が行われました。
- 自分の対人トラブルを想定したグループ
- 親しい友人の対人トラブルを想定したグループ
結果、友人のトラブルを想定したグループのほうが、
冷静で長期的な視点から正しい判断を下せることが明らかになりました。
つまり、自分の悩みも 「友人が同じ悩みを持っている」と想定し、
その友人にアドバイスをするつもりで考えることで、より的確な答えを導き出せるのです。
「今」ではなく「3年後、5年後」の視点で考える
短期的な感情に流されると、
一時的な恥ずかしさや不安を避けるために間違った選択をしてしまいがちです。
でも、3年後、5年後、10年後の自分を想像し、
「後悔しない選択はどれか?」を考えることが大切です。


具体例②:貯金をするべきか迷っている場合
短期的な感情:「今のうちに旅行や外食を楽しみたい。貯金はいつでもできるし、節約はつまらないから後回しにしよう。」
3年後の視点:「貯金がないままだと、急な出費や転職のときに困るかも…。もし病気やケガをして働けなくなったらどうしよう?」
5年後の視点:「結婚や家を買うタイミングになったとき、貯金がゼロだったら? もっと計画的にお金を貯めておけばよかったと後悔するのでは?」
→ 結論:「将来の自分のために、少しずつでも貯金を始めよう!」
他人へのアドバイスを自分に適用する
「自分のことを客観的に見るのは難しい」と思うかもしれませんが、
誰しも友達にアドバイスをするときは意外と的確なことを言えるものです。
だからこそ、自分の悩みを
「友達が同じことで悩んでいたら?」と考えてみることが、冷静な判断につながります。
長期的な視点を持ち、短期的な感情に流されずに考えることで、
より良い決断ができるようになります。




③最悪の状況を想定する


長期的思考を持つことは非常に重要ですが、
実は「長期的思考を持つ」と「最悪の状況を想定する」は同じ意味を持ちます。
しかし、「長期的に考えろ」と言われても、
具体的に何をすればよいのかわからないことが多いでしょう。
そこで役立つのが「心理対比」というテクニックです。
この方法を使えば、クヨクヨ悩んだり将来を不安に思ったりすることが減り、
長期的な計画を立てやすくなります。
心理対比とは?
心理対比とは、
「他人の目線で、最悪の状況を想定しながら自分にアドバイスをする」ことです。
例えば、転職に悩んでいるとしたら、
まず友人が同じ悩みを持っていると想像し、
最悪の事態を想定した上でアドバイスを考えます。
例えば、
最悪のシナリオ
- 転職先が決まらない
→ 退職したものの、次の仕事が決まらず、収入が途絶えてしまう。貯金が減り、生活が苦しくなる。 - 転職後に「思っていた職場と違った」と感じる
→ 人間関係が悪い、仕事内容が合わない、労働環境が劣悪など、前職よりもストレスが増えてしまう。 - 試用期間で不採用になる
→ 転職したものの、試用期間内に「合わない」と判断されて解雇され、再び仕事探しをすることになる。 - 転職した結果、年収が大幅に下がる
→ 思ったより給料が低く、生活レベルを下げざるを得なくなる。家賃やローンの支払いが厳しくなる。 - 仕事がハードすぎて心身を壊す
→ ブラック企業だった、仕事量が多すぎる、プレッシャーが大きいなどの理由で、メンタルや体調を崩す。 - キャリアに傷がつく
→ 短期間で転職を繰り返してしまい、履歴書の印象が悪くなり、次の転職が難しくなる。
最悪の状況に備える対策として
- 貯金をしっかり確保する(半年~1年分の生活費があると安心)
- 転職先を決めてから退職する(できる限りブランクを作らない)
- 職場環境や条件をしっかりリサーチする(口コミや社員の評判を確認)
- 試用期間中も気を抜かず、適応できるよう努力する
- 転職後に必要なスキルを事前に学んでおく
- 「最悪の場合、また転職すればいい」と考え、柔軟なマインドを持つ
こうすることで、今の状況を客観的かつ長期的に見ることができ、
冷静に判断できるようになります。
「うまくいったらこんなふうになって、こんないいことがある」と考える一方で、
「でも、万が一、うまくいかなかったら、こんなことが起こるから、こういう対策をしよう」と考えるわけです。
夢を描くことと、万が一の準備をすることを同時にできるのが、
心理対比のいいところです。
「最悪の状況になったら、こうすればいいよ」という明確なアドバイスができれば、
安心感が生まれます。
その結果、いままでとは異なる柔軟な視点で物事が見られるようになるのです。
この両方をやらないと、私たちはいい夢ばかり描いてしまいます。
心理対比の効果
心理対比の効果は、アメリカのガブリエル・エッティンゲン教授の研究によっても明らかになっています。
彼の研究によると、目標が破綻した場合の状況を事前に想定し、
その対策を考えておくと、目標達成の確率が向上することがわかっています。
さらに、心理対比を取り入れることで、
- 学習成績の向上
- セルフコントロール能力の向上
- 健康的な食生活の実践
- ダイエットの成功率向上
- 禁煙の成功
- お菓子の誘惑に強くなる
といったさまざまなメリットが得られることが確認されています。
心理対比の4つのステップ


ステップ1: 目標を達成したらどうなるかを考える
まず、自分が目標を達成した場合のメリットを考えます。
例えば、「年収1000万円を超えたらどうなるか?」を想像し、
「旅行に行ける」「おいしい食事を楽しめる」など、達成後の良いことをリストアップします。
ステップ2: 最も魅力的なメリットを選び、細かくイメージする
リストアップした中から最も自分にとって魅力的なメリットを選び、
それを達成したときの感情を具体的に想像します。
ステップ3: 目標達成を阻むトラブルを想像する
目標を達成する過程でどんなトラブルが発生する可能性があるかを考え、リストアップします。
例えば、「起業して年収1000万円を達成したい」と思っている場合、
「失敗して借金を抱えるかもしれない」といったリスクを想定します。
ステップ4: 最悪のトラブルへの対策を考える
リストアップしたリスクの中で最も起こってほしくないものを選び、
そのトラブルが起こった場合の対策を考えます。
こうすることで、現実的な計画を立てられるようになります。


最高と最悪を同時に考える
「やりたいことが見つからない」と悩む人は多いですが、
実際は「お金持ちになりたくない」「自由な時間がほしくない」と思う人はいません。
つまり、「やりたいことが見つからない」のではなく、
「そのための具体的なルートが見えていない」だけなのです。
心理対比を活用すれば、
「どうすれば最悪の状況を防ぎ、最高の状態に近づけるか」を考えられるようになります。
例えば、ある人が「本を読んで生きていきたい」と考えたとします。
しかし、書評家だけでは十分な収入を得るのは難しいでしょう。
そのため、
- 最高の状態: 本を読んで収入を得る。
- 最悪の状態: 収入がなくなり、本を買うお金すらなくなる。
という両極端なシナリオを考えます。
その上で、 「最悪の場合、図書館を活用し、ブログに書評を書けば最低限の収入は確保できる」 といった
具体的な戦略を立てられるようになるのです。
心理対比を活用することで、
目標達成の確率が上がるだけでなく、
- 夢を現実的な計画に落とし込める
- 具体的なアクションを見つけられる
- 最悪の事態にも冷静に対処できる
といった効果が得られます。
「最高の未来」と「最悪の未来」の両方を想定し、
その間を埋める方法を考えることで、実現可能な道筋を見つけましょう。
おわりに:メタ認知で心を軽くしよう




「自分のことになると悩みすぎてしまう」
そんなときは、視点を変えてみることが大切です。
他人の目線で考えることで、
自分を客観視し、悩みを軽くすることができます。
また、短期的な感情ではなく、長期的な視点でアドバイスを考えることで、
より冷静で賢明な判断ができるようになります。
さらに、心理対比を活用することで、
目標に向かう道筋が明確になり、最悪の事態への備えも可能になります。
大切なのは、「今の自分」だけでなく、「未来の自分」も見据えながら考えること。
視点を変え、自分に優しく、冷静なアドバイスを送れるようになれば、
悩みは少しずつ軽くなっていくはずです。
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